『ミリオンスクラップ!』大解剖!
公開日: 2024-06-22 | 更新日: 2024-06-22
なんとかISF12開催前にISF10のレポ漫画を描くことができた(?)。ここでは拙作『ミリオンスクラップ!』の小ネタを書いていく。自分のネタを自分で解説するっていう、いっちゃん痛いやつである。これがやりたかった!
完全に自己満足の文章なのでご注意ください。明日ISF12参加する人は今すぐ寝ろ!!!!!!!
とはいえそんなに解説するほどのことも少ないので制作裏話みたいな感じになった。描くにあたってどれくらい死にかけていたかは上記レポ漫画をご照覧あれ。
1億円ネタについて
もともと、サークルカットを描く時点でネタが何も決まってなくてやよいに札束を持たせておいた。あのサークルカットを見てやよい×札束フェチの人が来たときにサクカ詐欺にならないよう、やよいが大金を見つけるところからネタを考え始めることにした。
ところで、あの1億円がなんだったのか、読者の皆さんはちゃんと理解できただろうか?後から見返してみるといささか説明不足感がいなめない気がしている。流れとしては、(1)雪歩がお茶会のために茶葉セットを用意、(2)同日に萩原組の現金を使った取引があり、ここで茶葉セットと1億円のカバンが入れ替わってしまう、(3)雪歩がスタジオでカバンを紛失(雪歩は茶葉のカバンをなくしたと思っているが中には1億円が入っている)、(4)やよいが発見、となる。文字に起こすとハチャメチャ感がすごい。
なお、雪歩がカバンを紛失したスタジオと、『姉王』を収録していたスタジオ、千早と可奈が偶然エンカウントしたスタジオはすべて同じスタジオである。また、カバンを紛失してから雪歩の手に戻るまでの話は同日の出来事で、ほかの話(可奈の訓練や亜利沙の宇宙、茜の登山など)はその1日をまたいだもっと長い期間である。
個人的に、このみが困っているところにまつりが来てカバンを持ってあげるとこの話が好きだ。真っ先にこのみの身を案じたり、人の秘密をのぞいたりしないというセリフなど、まつりの良さをそれとなく描けた気がする。
ちなみに、1億円をみて動揺したこのみさんが顔の周りで手をシャカシャカしているのは、声優の髙橋ミナミさんが緊張した時にやる動作で、たしかミリラジか何かで話していた(言葉での説明だったので実際にこういう動きなのかは不明)。
可奈の歌訓練
一応、最後のライブはLTP08であるという設定だ。つまり、可奈の話全体がLTP08の前日譚である。ライブ中に可奈たちが爆睡するという、元ネタを知らないと意味不明なシーンがあるが、これはLTP08のドラマパートで実際にある場面である。いや、元ネタ知ってても意味不明だわ。
可奈にグサグサ行ってくるボーカルの先生はアニマスに出てきていた人なのだが、ミリアニにもしっかり登場していてうれしかった。あれ、登場してたよね?なんかワイの妄想な気もしてきた。
終盤、川で可奈が歌を披露する場面だが、やよいが常に魚を手づかみにしていて意味が分からなかった方もいるかもしれない。これもLTP08が元ネタである。LTP08のジャケ絵は川で撮影されたものなのだが、その特典でジャケ写のオフショット的なカードがもらえた。このカードがよく見るとめちゃくちゃ面白くて、みんなが各々の方法で動物を捕まえようとしているのである。何を言っているのかわからない人は「ライブシアター第7幕」で画像検索してもらえればわかると思う。環は虫網で蝶を捕まえようとしており、育は釣りをしており、可奈は歌で鳥をおびき寄せようとしている。そんな中、やよいだけカメラ目線のまま手づかみで魚を捕まえるという野生動物もびっくりなことをしており面白すぎるのである。
ところで、ぶっちゃけると、実は可奈のほっぺをぐいーんとして楽しく歌うことを思い出させるのは、最初期の構想では麗花のつもりだった。しかし、それだと麗花が活躍しすぎてもはや麗花本になってしまうし、話のつながりも難しい…ということでやよいになったのだ。まあ、結果としてやよいの姉・母的側面を際立てさせるいいシーンになった気がする。もし麗花サークルだったら、いっそすべての問題を最終的に麗花が解決するような大車輪の活躍をする話になっていたかもしれない。
ちなみに、最後のライブシーンの観客席には、下書きの段階では志保の左隣に貴音がおり、ペンライトをおいしそうに眺めている予定だった、が時間がなくて消え去った。
亜利沙の宇宙ライブ
亜利沙が宇宙へ行くネタは前年のISFで出た亜利沙宇宙合同のオマージュである。そもそも、亜利沙って曲とかでなんか宇宙と関連付けられる感じありますよね?
宇宙服には本当に助けられた。作画コストがめっちゃ低いし、触覚生やしとけば亜利沙だってわかる。しかし本当にこんな感じに宇宙で髪を出して大丈夫なんだろうか?
亜利沙がライブを通じて偶然に可奈を勇気づけるシーンが一番気合を入れて描いたところであるのは読んでいただけた方ならわかっていただけると思う。吹き出しを駆使して変則的な読み順をうまく誘導できた気がしており、我ながら良いシーンになったと思っている。本ができた後このページを自分で何度も見返した(照)。
ところでこのシーンはセリフに本当に悩んだ。「無意味なことしてる気がしても無駄じゃないから止まるんじゃねぇぞ…」的なことを言わせることは決まっていたのだが、いかんせん急にこの話をすると「え、この子はなんで急に深イイ話始めたん…?」感が出てしまい、うまくつなげる導入のセリフが難しかったのだ。最終的に、清書作業中にハマってヘビロテしていたフジファブリックの『Sugar!!』という曲の一部(といっても本当にごく一部だが)を引用させていただくことで割と自然な導入セリフにすることができた。ハマってる曲を元ネタにするの、絶対同人誌あるあるですよね。
ちなみに、亜利沙に勇気をもらった少女の母親の後ろにいる謎の男は漫画『K2』に登場する天才医師"ドクターK"で、ISF10の原稿の時期に全話無料公開されて流行っていた。作中、この男が医術に失敗することはほぼなく、この少女の未来が明るいことを示唆するシーンとなっている。
茜ちゃんと麗花の登山
麗花がどんどん高く昇っていって最終的に宇宙に到達するのはグリマスのエイプリルフールか何かであったミニゲームが元ネタである。なお、その他の、この編に出てくる元ネタがよくわからない場面は基本的に『神々の山嶺』のパロディだと思っていただいて問題ない。
今回、茜ちゃんは一貫して麗花に振り回される被害者となった。個人的には茜のウザキャラとしての、いわば「裏の裏」の個性が大好きで、そういった面を描きたい気持ちがあったのだが(余談だがミリアニの茜ちゃんはこの側面が完璧に描かれていて本当に良かった)、残念ながら今回はそのタイミングがなかった。だが「亜利沙ちゃんが茜ちゃんのかわいさで目を覚ましたよ!」というふてぶてしいセリフは個人的に気に入っている。
また、私は麗花と茜のコンビの強キャラ感が大好きである。『Black★Party』のクソ強そうな感じや、Act4のソロメドレーで先陣を任された二人の、ヤバい奴だけどステータスがバカ高いみたいな雰囲気が好きなのだ。今回の話でこのコンビが誰かを助けるという場面を描けたのはよかった。
この亜利沙救出後の場面は明確に実力不足でうまく描けなかった部分があり、それは麗花の表情である。落ち込む亜利沙に麗花が抱きついて「今まで見た中で一番素敵なステージだった」と伝える部分だが、これは亜利沙を元気づけるためにこそ発した言葉ではあるのだが、それだけの方便ではなく、本心から亜利沙のステージに感動し、感極まって抱きついたのだ。そのため、下書きの段階では麗花は笑顔だけど何となく今にも涙がこぼれそうなそんな感じの表情に描いていた。のだが、その感じが線画になると失われてしまった気がしている。
というかワイは線画がガタガタで下手なうえに、手指へのダメージがすごくて根本的に何か間違っている気がする。なんなら既に1年経ってるのに原稿作業時にえぐれた中指の傷がまだ残っている。神絵師に線の引き方を手取り足取り教えてほしい。
ところで、「抱きついた」で思い出したが、本書だけで誰かが誰かに抱き着くシーンが4つあって草が生えた。全然自覚がなかったのだが性癖なのかもしれない。
亜美真美とPの喧嘩
実は亜美真美の話は後から追加した。そのため、ちょっとほかの話と収束タイミングが違っていて変な感じになってしまっている。が、結果的に良いオチもついたし、全体のウェイトも増やしてくれてよかったと思う。
亜美真美は序盤に春香にお菓子の作り方を教えてもらい、律子に手紙を添削してもらっている。その後の話でPと喧嘩し、最後にPに手紙とお菓子を渡すのだが、これは別に時系列を入れ替えているわけではない。手紙とお菓子は喧嘩した後に仲直りするために作っていたわけではなく、亜美真美が日頃の感謝を伝えるために元から準備していたという設定なわけである。
この亜美真美の話では、大人が自分目線で子供をアレコレ叱る愚かさと、そんなことをしなくても子供は大事なことをわかっているぜ!的なことを言いたかっのだが、力不足すぎて全然描き切れなかった(ちなみにこの話には一応元ネタがあるのだがわかる人はいただろうか?恥ずかしいので教えないが)
ところで、最後にPがうずくまって号泣するシーンだが、ここの小鳥さんは事務所の戸を開けたらPが亜美真美の名前を叫びながらうずくまっているのを目撃し、ガチでドン引きしているはずであった。しかし、塗りつぶしのレイヤーが一つ非表示になっていて顔を青ざめさせている表現がなくなってしまったのだった。
また、いちばん最後はアイスを不承不承食べる亜美と真美の大ゴマで終わらせる予定だったが、この時〆切までのこり2時間を切っており、あきらめて車の後部だけ描くことになった。まあ結果的には「チャンチャン」感が出て良かったと思う。
全体
本書は普段の私の4コマ(最近フォローしてくれた人は知らないと思うけどオジサン昔アイマス4コマをたくさん描いてたんダ!)を気に入ってくれているフォロワーに対するひっかけ的な側面が大きいのだが、全体の構成上、先に話を考え切ってからじゃないと絵に着手できないのが大変だった。そもそもどういう風に話を考えればいいかわからず、最終的にはノートにすごろくみたいな感じで「あれがこうなって」というのを書き込んだ(余計こんがらがったよ……TT)。なんかおすすめのツールとか知ってる人いたら教えてください。
普通の漫画で群像劇をやるのはたぶん意外に難しく、あまりに場面が転換すると、読みにくいといわれておしまいである。これに対して、4コマ漫画は話と話の間につながりがないほうが普通であり、言い換えると場面がかわるがわる転換しても違和感がない。このため、群像劇的な話を描くのに4コマは意外と適しているのだ。なんなら、時系列を入れ替えたりといった遊びもできるんじゃないかと思っている。
また、4コマのメリットとして全身絵や背景をあんまり描かなくていいという面がある。いや、描いたほうがいいんだけど。実際、本書で私はほとんどろくに全身絵や背景を描いていない。いや、描いたほうがいいんだけど。それでも意外と一冊作れたので、画力に自信がない君もできるというわけだ。君も早速本を作ろう!
本書『ミリオンスクラップ』はメロンブックスで通販させていただいている。現地で余った50部くらいを委託したのだが、残り3部になっており、読んでくださった皆さんには感謝の言葉もございません。サンクスです~
おい!!明日ってか今日はISF12なんだが?!?!?!家から3時間かかるんだが?!?!?!早く寝ろ!!!!!